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2021年6月29日

「やっちゃれトーク」佐伯康人×土田酒造6代目蔵元 土田祐士氏

「旦那」…「旦那」とはそもそも「布施」を意味する仏教語。
     「檀那」の字が用いられていた。
     その語源は、「布施・施し」という意味のサンスクリット語(古代インドの標準的文章語)「ダーナ」。
     仏法を広めるために布施をして、僧侶や寺院を支えることを「檀那」と呼び
                  やがて、布施をする人のことも「檀那」と呼ぶように。                 

     中国や日本では、旦那は寺院や僧侶に布施をする「施主」や「檀家」の意味として、主に僧侶が用いる言葉であった。
                 やがて、一般にも「旦那」の語は広まり、「パトロン」のように生活の面倒を見る人の意味で用いられるようになった。
                 さらに旦那は「面倒を見る人」「お金を出してくれる人」といった意味から派生し
                 奉公人が主人、承認が客、妻が夫を呼ぶときの敬称として用いられるようになり
     現代では主に妻が夫を呼ぶ敬称として用いられている。

いきなり、なぜ「旦那」の意味を、話を?!
と、思われるかもしれませんが、二人のトークを聞いていて
また、佐伯さんが口にした
「土田さんは新しい旦那の形を作っている、作っていく人」
という言葉が、忘れられなかったからです。

佐伯さんの対談相手の土田酒造の6代目蔵元 土田祐士さんは
明治40年創業、群馬にある酒蔵の6代目。

あるとき、お客さんから
「米を削らずにお酒を作ってほしい」
という依頼があったそう。

今の日本酒は、約4割ほどのお米を削って日本酒にしているため
その依頼があったとき、「え?!」
と、戸惑ったそうなのですが、戸惑いつつも作ってみたところ
その日本酒の出来に衝撃を受けて
お米を削らずに日本酒を作る
ということにチャレンジするようになったそうです。

土田酒造は「米の旨味を出し切る」をテーマに
添加物を一切加えない、蔵の菌に頼った造りにも挑戦!

社内で土田酒造のこれからの方向性を議論した結果
「添加物一切不使用の山廃造り」へ完全シフトしているそう。
※「山廃仕込み」とは「山卸廃止酛仕込み」の略称
 蔵の自然の乳酸菌を自生させて酒造りを行う「生酛造り」の中の
 米をすりつぶす「山卸し」という工程を「廃止」した製法。

ここまで読んで、勘がいい方はもうぴんときているかもしれません。

何かに似ていると思いませんか?
あれと一緒だと思いませんか?!

そう、「自然栽培」!

食品添加物をではなく、菌に頼りたい
という思いから菌の力だけに頼った
酒造りを進めていく内に
自然栽培のお米に行きついたという土田さん。

その話を聞いていた佐伯さんが
「土田さんは、酒造り、ではなく、酒育てをしているね」
と、ぽつりと口にしました。

菌に頼った酒造りをし始めたら
今までいなかった菌がいきなりやってきたそう。
しかもかなり強力な野生の菌。

それを聞いていた佐伯さんが
「土田さんが生き方、考え方を変えたから
 菌がやってきた、引き寄せられてきたんだろうね」と。 

「自然栽培の畑や田圃をやっていると
 え、なんでこの草が?!というものが生えてくる。
 土が呼ぶんだよ、草を。
 それと一緒で、菌も生きやすいところにやってくるんじゃないかな。」

「生き方、考え方が今の時代にマッチしている日本酒。」

土田さんのお話を聞きながら
自然栽培との共通点を、佐伯さんがいくつもお話してくれました。

自然酒、自然栽培どちらも
菌や天候に左右されるもので
同じやり方をしていれば同じ結果が得られるものではない。

だから、リスクが高いことは確か。

こうやればこうなるという
答えがひとつの世界ではない。
答えはいくつもあり
また、答えが変わっていく世界。

しかし、だからこそお米の品種、育てた農家さんの
個性を光らせることができ
発酵、変化しつづけるものが出来上がる。

実は、土田酒造さん
すでに自然栽培のお米を使った日本酒を完成させていて
その日本酒を飲ませていただいたのですが
味の違いが歴然!

あまり大きな声では言えませんが
今流通している多くのお酒は
おいしいけれども味が単調でシンプル。

それに比べて自然酒は、味がふくよかで
数分置いただけで、また味が変わっていくという代物。

どちらがいい悪いかではなく
それはもう人それぞれ、好みの問題。

しかし、自然栽培のお米を使い
添加物はいれず、菌の力に頼った自然酒は
二日酔いにならず、むしろ翌日腸の調子が良くなっている等々

まあ、それは当然でしょうね。

土田さん、自然栽培のお米を
農家さんがびっくりするくらいの価格で買い取っているのですが
なぜ、そんなことをするのかというと
わたしたちの根幹である食を支えている
農家さんたちが豊かにならないのはおかしい
そこに従事している人たちが豊かじゃないことは
不味いんじゃないのかと考えているから。

「次世代に何を残したいか」
ということを考えたとき
餅屋が儲からない社会は不味いのではないのか?!と。

「農家さんが増えるように」という思いがあり
農家さんがびっくりしてしまう値段で
お米を買い取っている
という話を聞いたときに、冒頭の「旦那」の話を
佐伯さんがしました。

「土田さんは、新しい旦那だね」と。

お二人の対談の模様は動画に収録しましたので
詳しいことは、後日アップする動画を見てください!

この二人の動画、ほんと、面白いです。
■みらい樹チャンネル
 https://www.youtube.com/channel/UCEc_IOYjR-3XY-XNNDy-Wjw
 

今主流の酒造りは、完璧なゴールが決まっている。

自分たちはそこは目指さない。

自分たちの酒造りは、リスクは高いし
これがゴールという明確なものはなく
毎日ドキドキしっぱなしだけれども
それも含めて、やっているプロセスが好き

と、目をきらきらさせながら
土田さん、お話してくれました。

佐伯さんですら、毎日、毎朝
畑や田圃の様子が気になって
早起きせずにはいられないそうです。

「作る」のではなく「育てる」

人が稲を生み出すことはできない。

我々は、大自然とともに
共同作業をさせてもらっている。

土田さんも同じで
「酒造り」をしているのではなく
「酒育て」をしている。

理論や理屈ではまだ追い付けない
それを超えたところの世界に向き合っている二人。

その二人の頭の中にあることのひとつが
「次世代に何を残せるか」

簡単な言葉で言っちゃうと、今の社会
「粋な人が減ったよな―――」

土田さん、佐伯さんは、粋だなあって。

大変なことや苦労はたくさんあるに違いありません。
それこそ、土田さん、10万リットルのお酒がダメになりそうになったことも…。

しかし、その時、土田さん、社員に対して
「これは神さまからのギフト。将来、笑えればいい」
と言ったそう。

これってできそうでなかなかできないですよ。

自分の私利私欲、自分が生きている間だけ良ければいい
という考えではなく
お酒、畑や田圃だけでなく
人を育てるということをしているお二人。

土田さんに対して「新しい旦那だね」
と佐伯さん仰っていましたが
佐伯さんもその一人ですよ。

土田さん、オカルト的なことも大丈夫そうだったので
敢えてこんな表現しちゃいますが
陰謀論的世界に巻き込まれないためには
土田さんや佐伯さんみたいな
粋な大人、新しい旦那が増えていくことが
一番の近道なのでは、と(笑)。

■土田酒造
 https://www.tsuchidasake.jp/

お二人の対談動画は、後日、下記チャンネルにアップします↓↓↓
■みらい樹チャンネル
 https://www.youtube.com/channel/UCEc_IOYjR-3XY-XNNDy-Wjw

 

 

 

 

 

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